ヘルペス(帯状疱疹/帯状疱疹後神経痛)
原因と症状について
帯状疱疹は皮膚に帯状の発疹と強烈な痛みがでる疾患です。子供のころに罹った水疱瘡(ヘルペスの仲間)のウイルスは、治ったあとも身体の神経節に潜伏しています。どこの神経節に潜んでいるかは人それぞれですが、過労や老化など免疫力が低下した際に、ウイルスが潜んでいた神経節で暴れることでその神経節が支配する皮膚の領域に限定して発疹を起こします。帯状に症状が出現するのはこのためです。
治療について
帯状疱疹の治療は、発症初期に抗ウイルス薬を服用することが肝要です。
痛みは発症初期から出現し、帯状疱疹が治ったあとも痛みだけが残ることがあります。これを帯状疱疹後神経痛といいます。
ペインクリニックでの治療の特徴は神経ブロックによって痛みを積極的に治療することです。 帯状疱疹後神経痛に移行する前、帯状疱疹発症早期から痛みを我慢せずにしっかりと神経ブロックによって痛みの治療を行うと、 帯状疱疹後神経痛への移行率は大幅に抑えられます。
また、不幸にして帯状疱疹後神経痛に移行してしまった場合でも、神経ブロックや内服治療で痛みを抑えるのが早ければ早いほど、回復が早いとされています。
つまり、いずれの時期においても'痛みを我慢する'ことだけは避けるべきです。
治療方法は、内服治療と神経ブロック治療があります。
神経ブロックは、痛みを起こしている神経節だけを狙って、出来るだけ近くから麻酔薬を注射する治療方法です。日本では、麻酔科専門医やペインクリニック専門医が得意としている治療方法です。
内服治療は、帯状疱疹の早期と、帯状疱疹後神経痛の時期で異なります。
早期には炎症の痛みがメインになりますから、炎症を抑える薬が必要です。
発症から1~2か月ほど経過すると、炎症の痛みではなく神経の痛みがメインになりますから、神経痛の薬が必要です。
当院は、痛みの専門家として、これらを適切に選択し、可能な限り副作用の出ないようにしながら最大の効果を発揮するような組み合わせを考えて治療します。